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2024/11/06

学校行事

演劇鑑賞会「サンクコストは墓場に立つ」を鑑賞

11月1日、演劇鑑賞会を行い、劇団「夕暮れ社 弱男ユニット」による「サンクコストは墓場に立つ」を鑑賞しました。作・演出を手掛けられた村上慎太郎さんは、以前本校のグローバルラボ「アンデスへの旅 ワークショップ」で、南米アンデスの人々の世界観を演じられ、今回はその御縁もあってのご講演となりました。

冒頭で「サンクコスト」とは「埋没費用」と説明がありました。劇中では、数々のユーモアが予測不能な展開として描かれており、「今さら取り戻せない支払った代償」について、おもしろおかしくも考えさせられる哲学的な作品を拝見することができました。

(写真以下の生徒の感想では、若干のネタバレを含みます。ご注意ください。)

生徒の感想

死体を運ぶという奇妙なアルバイトを通して、演者の皆さんたちの悩みや葛藤がコミカルに描かれていて、笑える場面もたくさんありました。しかし、一方で死をテーマにした内容も含まれており、人生の意味や、過去にとらわれずに前に進むことの大切さを考えさせられました。コメディー要素が多かったので、演劇に前のめりになって見てしまいました。

大道具を使わずに大学構内を表現していたり、音をたくさん使って全体の雰囲気を盛り上げたりしており、とても印象的でした。

尊厳を持ってご献体を扱うことや、人生とは損切りできないものであることが分かりました。将来、医学の方に進むことになったら、ご献体に対して尊厳を持って医学のために頑張りたいです。

ご献体の運搬は、失敗してもまたやりなおせばいいけれど、二人の別れを失っては取り戻せないことが比較されていて、面白いと感じました。

人生における選択の難しさについて深く考えさせられました。特に、主人公たちが過去の決断に囚われながらも、未来に向かって進んでいく姿に感動しました。

ハロウィンということもあり、ホラー系かと思いきや、ネタ要素満載でとても楽しめました。全て関西弁で親近感も湧き面白かったです。

今まで自分ではどうしようもない過去のことに悩むことが多々あったので、今回の劇を通して、無駄で溢れるこの不条理な世界を受け入れて、次に進むことが大切であると感じました。

死から生には戻れない「怖さ」を感じました。また劇中何度もでてきた「受け入れる」という言葉が頭の中に残りました。友達と話し合ううちに、「無意味なことを受け入れる」について話していました。劇中に演じられた数々の無駄を人々は結果的に受け入れた、その心構えが大事なのだと気付かされました。

全く異なる関係性を「サンクコスト」というテーマで比較した点が非常に面白く、身近な社会問題を科学的にも説明しがたいストーリーで「受け入れさせる」ように演じられたことがとても印象的でした。ご献体に対する思いが立場によって異なる点も、同じ人間なのに価値観の違いが見えて興味深かったです。