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2024/10/01

お知らせ

東京国立近代美術館 企画展「ハニワと土偶の近代」開催のお知らせ、視察報告

 東京国立近代美術館で開催中の企画展「ハニワと土偶の近代」に長谷川三郎の作品4点、資料複数点が出品されています。

 本展は、日本の古代を象徴する出土遺物のハニワと土偶が、どのように文化に浸透したのかを明治時代から現代に至るまでの美術で辿る構成となっています。岡本太郎による縄文土器とイサム・ノグチによる埴輪の美的な「発見」はその後、縄文vs.弥生という伝統論争にも繋がり一般にも知られるようになりました。しかし、近代以降、出土遺物に着目した人物は彼らだけではないことを本展で知ることができます。日本の古典的な美と西欧の最先端である抽象の相関を唱え続けた長谷川三郎もハニワと土偶両方を積極的に絵画や詩作のモチーフとして扱っており、本展では同時代に活動していた吉原治良や猪熊弦一郎らと並べて展示されています。本展企画者の一人である成相氏は長谷川に対し次のように評しています。

「長谷川は世界の美術史の先端に縄文の遺物を参照し、これを模範にするという空前の主張を展開した。伝統をモダニズム的観点から見直すという戦後美術界の大きな潮流の中で縄文を取り上げた例として、長谷川の言説と作品は最も早く、群を抜いてラディカルだったといえる。」成相肇「美術と「縄文」の150年」『ハニワと土偶の近代』東京国立近代美術館、2024年、p.255
 

本展では、近代美術に限らず、漫画やNHK「おーい!ハニ丸」などの大衆メディアにおける出土遺物の扱いも紹介されており、どなたでも楽しめる展覧会となっています。ぜひ、皆さまも足をお運びいただき、私たちの文化に潜んでいるハニワや土偶を再発見してみてはいかがでしょうか。
また、展覧会の出口に設置された特設ショップでは、本展に出品されている長谷川三郎の作品がトートバッグ、クリアファイル、マグネット、ポストカードと様々なグッズとして販売されています!ぜひ最後まで展覧会をお楽しみください!

(長谷川三郎記念ギャラリー 松永)

展覧会名:企画展「ハニワと土偶の近代」

会場: 東京国立近代美術館本館 東京都千代田区北の丸公園3-1 1F企画展ギャラリー
会期: 2024年10月1日(火)~12月22日(日)
休館日: 月曜日(ただし10月14日、11月4日は開館)、10月15日、11月5日
時間: 10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)入館は閉館の30分前まで
観覧料: 一般 1,800円、大学生 1,200円、高校生700円、中学生以下無料

 
美術館公式サイト:https://www.momat.go.jp
展覧会公式サイト:https://haniwadogu-kindai.jp
 
写真 上から順に

1. 長谷川三郎作品4点の展示風景
  左《湖のほとりにて(1)》(1948年)
  中央上《土偶》(1948年頃)、中央下《土偶》(1948年頃)
  右《無題-石器時代土偶による》(1948年)
2. 長谷川三郎による詩「土と空気と」(『MUSEUM』第2号、埴輪特集、1951年)
3. 展覧会特設ショップ風景 中央に《無題-石器時代土偶による》トートバッグ
すべて筆者撮影(無断転載禁止)