甲南高等学校・中学校

MENU
ENGLISH

NEWS

新着情報

2025/12/01

学校行事

OBワークショップ(高一)を行いました

11月15日土曜日、高校1年生対象に「OBワークショップ」を開催しました。OBワークショップは、社会の様々な分野で活躍する本校の卒業生にお越しいただいて、その職業についてワークショップをおこなってもらうプログラムです。

今年は、広告代理店経営、医師、IT起業家、環境コンサルタント、商社勤務、ホテル支配人、一級建築士、小学校教員といった卒業生8名にご協力を頂きました。

OBの方々は、仕事の魅力や社会での学びに加え、この学校で育まれた出会いや経験が今の自分を支えていることを語ってくださいました。同じ制服を着て過ごした後輩だからこそ感慨深い思いがあり、その言葉の多くは「最後は誰かのために働くことに行き着く」という、温かいメッセージへとつながっていました。

OBのコメント

人生では“学ぶ”ことから逃れることはできない。車でいえば、前に進むためにアクセルを踏む——その行為だ。皆さんには、できるだけ早く“踏むべき時”に気づいてほしい。大学の先には就職活動がある。いまの社会では、学歴や資格、大学で何を学びどんな力を身につけたかが確実に問われる。採用も、多くの場合は大企業から順に決まっていく。しかし大企業に行くことが幸せというつもりではなく、大切なのは、自分が望む進路にしっかりとした選択肢がそろっていて、その中から最も納得のいく道を選べるかどうかだ。それこそが幸福につながると考えている。

甲南大学で就職活動を支援することがある。その中で痛感するのは、「あと数カ月で人生の転機とすることには限界がある」という現実だ。取りたい進路は高いのに、これまで勉強してこなかったために選択肢が狭い——そんな場面を何度も見てきた。皆さんは高校1年生。時間はたっぷりある。どうか今すぐに“学びのアクセル”を踏み始めてほしい。この先、自分の将来に責任を持たなければいけないときに、一つでも多くの選択肢を手にできるようなキャリアを、今日からつくっていってほしい。

もう一つは、「志が高く、目標を定めている友達と、積極的につながってほしい」ことだ。人は自分で自分を形づくる部分もあるが、周囲から受ける影響も大いにある。目標を持って努力している人の言動は、日々の生活や考え方がその目標に向かっていて、その姿勢自体が刺激になる。焦りを感じたり、自分の将来を考えるきっかけをもらったりすることができる。

私自身、高校時代は将来のことをほとんど考えていなかった。それでも、良き友に救われた。「どこの大学を目指し、そこで何を学びたいのか」といった学生時代の他愛のない会話に恥ずかしさを感じたことが、英語の勉強という“アクセル”を踏み始めるきっかけになった。そのときの様子を今でも鮮明に覚えている。振り返れば、彼らと過ごした時間があったからこそ、商社に入り、英語を使う仕事でキャリアを積むことができた。今も友人には感謝の気持ちしかない。皆さん一人ひとりの将来が幸せで満たされることを、心から願っている。

足立副校長のコメント

OBワークショップを通して、先輩方はそれぞれの経験から後輩へ多くのメッセージを託してくださる。今日の対話の中で、皆さんの心に残る言葉や表現、ふとした気づきがあったはず。そのいくつかを振り返ってみると、
「進路やキャリアは、大学名だけで決まるものではない。仕事の中で“まずやってみる”姿勢が成長につながる」
「大切な言葉は“親切”。ただし英語の“Kind“ではなく、“その人に合わせる”という意味の“Customize“だ」
といった印象的なメッセージがあった。こうした言葉を、自分の内側にそっとしまい、これからの生活の中で何度も思い返してみてほしい。気づきや成長の“きっかけ”として育てていくことこそが、今日お話いただいたOBの方々への何よりの感謝になるはずだ。ぜひ、この学びをこれからの人生に生かしてほしい。