甲南高等学校・中学校

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2025/07/24

学校行事

臨海学舎

7月9日から12日までの4日間、中学1年生が兵庫県竹野浜にて臨海学舎を実施しました。この行事は旧制甲南高校の時代から受け継がれてきた伝統行事です。美しい日本海は奥城崎シーサイドホテルに宿泊し、連日の好天に恵まれた中で活動を行いました。海風が暑さをやわらげ、海に浸かれば清涼感に包まれる絶好の環境での実施となりました。高波の影響で海中は砂が舞い、海藻が流れ着くこともありましたが、少し足を伸ばせば透明度抜群の美しい海を感じることができました。

訓練は4つの班に分かれて行われ、1・2班は遠泳、3・4班は基礎的な水泳技術を身につける訓練を行いました。2日目には40分の小遠泳を実施し、3日目には80分の大遠泳に挑戦。約2キロの距離を平泳ぎで泳ぎ切りました。生徒たちは約20名の教職員と水泳部員に囲まれながら、縦隊を組んで「えんやこら」の掛け声を合わせ、力強く海を進みました。3・4班の生徒たちは足の届かない場所での泳ぎを繰り返し練習し、波に揺られながらも、泳ぎきる力を着実に身につけていきました。遠泳のゴール地点では、訓練を行っていた3・4班の生徒たちが拍手で1・2班を迎え、達成感と一体感に包まれた瞬間となりました。

夜は竹野子ども体験村でキャンプファイヤーを実施。各クラスがスタンツを披露し、団結力を高めるとともに、互いの個性を尊重し合う貴重な時間となりました。また、磯遊びではエビやカニ、ウミウシなどを観察し、自然とのふれあいから多くの学びを得ました。

水泳訓練中は「バディ制度」を導入し、互いを支え合う姿勢を育てました。例えば遠泳中、心が折れそうになる瞬間があったかもしれません。しかしそこから逃げることはできず、仲間と励まし合いながら、時には「えんやこら」の掛け声を合わせ、自らの限界に挑戦し、絶体絶命に向き合う体験を重ねました。それは、将来の人生で困難や極限状態に直面したときでも、自分自身を奮い立たせ乗り超えるための意志を養い、社会に貢献するための土台となるでしょう。臨海学舎の経験が生徒たちの成長の礎となり、これからの学びをより一層充実したものにすることを期待しています。

今年の中学1年の学年目標は「大切にする」です。その言葉の意味をあえて限定せず、「何を大切にすべきか」を自分で3つ考えて見つけるよう生徒たちに促しています。臨海学舎は、その答えを体で感じ取ることのできる、まさに”教育の場”となりました。

生徒の感想

小遠泳の40分は、思っていたよりも短く感じました。まだ体力にも余裕がありましたが、次の日の大遠泳では、高波で本来とは違うコースになり、とても深い場所を泳いだので驚きました。寒くて波も荒かったけど、しっかり泳ぎきれたし、みんなで完泳できたことに感動しました。

クロールと平泳ぎが上達した気がします。途中で海水を飲んでしまい、口の中がしょっぱくてカラカラになり、ゲップがたくさん出ました。あとで飴湯を飲んだら塩がスッキリ取れておいしかったです。ヒラタブンブクを踏んで足の裏が痛くなり、とても疲れましたが、夕食が本当においしくて疲れも吹き跳びました。

初めての海での水泳訓練で疲れました。大遠泳のあとはみんな疲れ果てて、カレーをたくさんおかわりしました。夕食の時はいつもの倍食べ、すき焼きやカニもおいしかったです。夜のキャップファイヤーでは、みんなのスタンツのクオリティが高くて驚きました。

一番心に残ったのは、ビーチでみんなと一緒に穴を掘って、石油を掘り当てようとしたことです。現実味のないことだけど、みんな普段の授業ぐらい集中して、無我夢中になったことが面白かったです。石油は出なかったけれど、大きな石と水が出てきたのでやりがいがありました。そこに浸かると温泉みたいで気持ちよかったです。

大切な3つを見つけました。校長先生がおっしゃったように、大自然に触れ合い、大自然を感じることができました。またメリハリをつけることで、ふざけるときは本気でふざけ、真面目な時は本気で取り組み、これを意識できたことです。最後の1つは、仲間やお互いを信じ合い、得意や不得意関係なく、みんなが本気で取り組めた思い出です。楽しかった臨海学舎を経験し、いつのまにか泳げるようになっていました。